【地域の宝を次世代へ】平久保半島自治協議会が「インタープリテーション計画」を策定!その内容と未来への想いとは?
沖縄県・石垣島の最北端に位置する平久保半島。手つかずの自然、豊かな生態系、そして世界屈指の星空が広がるこの地域で、今、持続可能な観光と地域保全の両立に向けた新たな一歩が踏み出されました。
2025年3月、環境省やアウトフッターユニオンの皆様のお力をお借りして策定したのが、地域の自然・文化・暮らしの魅力を伝えるための「平久保半島インタープリテーション計画」です。
■ インタープリテーションとは?
「インタープリテーション(Interpretation)」とは、自然や文化などの価値を、わかりやすく・心に響く形で伝える手法のこと。単なる情報提供ではなく、「感じる」「理解する」「共感する」体験を通して、訪れる人の意識と行動を変えることを目指します。
■ 平久保半島インタープリテーション計画の目的
- 地域資源の価値を深く伝える
ただ「見る」だけではなく、「なぜこの景色が特別なのか」「どのような営みがここにあるのか」を伝えることで、観光客の心に残る体験を提供します。 - 持続可能な観光の実現
訪問者のマナー向上や環境保全意識の向上を図り、地域に無理のない形で観光を受け入れる体制をつくります。 - 地域アイデンティティの再発見と誇りの醸成
地元の方々が自分たちの地域の魅力に改めて気づき、未来世代にも伝えていけるようにすることも大きな目的のひとつです。
■ はじめに(インタープリテーションから抜粋)
沖縄県石垣島の北東部に伸びる平久保半島には、
石垣島南部のにぎやかな観光地とは異なるゆったりとした空気があります。
半島の中央に伸びる山上からは東西の海岸と雄大なサンゴ礁をひとめに眺め、
島を吹き抜ける風を味わうことができます。
山裾には牧場とサトウキビ畑が穏やかに広がります。
夜になればサガリバナが甘い香りを放ち、星空が天の川を描き出します。
5つの集落にはそれぞれの成り立ちがあり、独自の祭りがあります。
そんな平久保半島の “ あたりまえ” は、
他のどこに行っても見つけられない “ 特別” です。
この冊子では、各集落でたくさんの方から伺ったお話を元に、
地域の自然や文化、生業をいくつかのストーリーとしてまとめました。
平久保地域だけの特別な “ あたりまえ” をみんなで共有し、
大切に次の世代につないでいく一助となることを願っています。
■ 今後の主な活用に関して
● 地元住民向けのガイド育成
- 平久保の自然や文化に詳しい地元の方々を対象に、インタープリテーション研修を実施。
- 地元主体で語り継がれる“ストーリーテリング観光”を推進。
● 子どもたちへの環境教育
- 小中学校と連携し、星空や自然に関する学習教材を開発。
- “ふるさとの宝を伝える力”を次世代へ。
■ 地域と来訪者をつなぐ架け橋に
このインタープリテーション計画は、観光客に対して単なる情報を届けるだけではありません。
地域に住む人々の声や想いを反映し、「人と自然と文化の共生」を体感できる仕組みをつくるためのものです。
■ 今後の展望:平久保から始まる、新しい石垣島のかたち
平久保半島の取り組みは、将来的に石垣島全体のモデルにもなり得ます。
自然と共に生きる島の知恵と美しさを、島外の人々に丁寧に届ける――
その第一歩が、このインタープリテーション計画です。
平久保半島インタプリテーション計画 自然と暮らしの道しるべ
※画像をクリックするとインタープリテーション計画がご覧いただけます。
